心理学の歴史をざっくりと紹介します。(古代~近代まで)
心理学の歴史を人物を通してざっくり紹介します。
歴史を学ぶ意義としてあげられる
・過去の失敗や成功から現在に生かす
・歴史をみることで、どういう系譜をたどって今に至ったのかを体系的に知れる
・今後の予測ができる
が学べ、知識→知恵に発展するために歴史を知ることは必要です。ざっくりとした内容なので、心理学を知っていく最初の足掛かりとして入口部分をご紹介できればいいなと思います。
「深く知らなければ考察できない」
「ざっくりだと何も身につかない」
という意見もあると思いますが、知識というのは決してやみくもに学ぶものではなく、順序立てて学んでいくものです。ですのでまずは入口部分を知っていただき、そこから心理学全般の知識へと発展していきたいと思っています。
ソクラテス、プラトン、アリストテレス(古代ギリシア時代)
古代ギリシア哲学者の方々で名前は聞いたことあると思いますが、それぞれが現代心理学の礎を築いています。
ソクラテス
「無知の知」(私は自分が無知のなのを知っている)という考えを提唱。
自分より知恵がある人はいないというお告げに対して、「そんなことはない!人間は知恵を追い求めなければならない!」という事を証明する。
プラトン(ソクラテスの弟子)
「人間の心は生まれた時から様々な概念があらかじめ備わっている」
という、生得観念の考えを示す。
アリストテレス(プラトンの弟子)
人間の精神は生まれた直後の状態では完全な白紙であり、成長・学習によって様々な働きを習得する。
という、プラトンとは真逆の考えを示す。
このころは、心理学という学問はありませんので、哲学的な観点から人の心を考えていた時代でした。心理学という言葉も、ギリシャ語の「心」psyche(プシュケー)と「論理」logos(ロゴス)を組み合わせたものですしね。
へぇ~。昔の人も心とは何だろうと考えていたんだなぁ。
デカルト、ジョン・ロック
時は17世紀。現代の心理学の基盤を作ったデカルトと、それに意義を唱えたジョン・ロック。ここもサクサクいきながら要点だけおさえていきます。
デカルト
「我思う、ゆえに我あり」(あらゆるものが偽だったりよくわからなかったりしたとしても、私は考えるし何者かである)の人。
デカルトは「人間は様々な概念を学習や経験によって習得するのではなく、生まれたときからすでに習得している(今で言う才能)」というプラトンの生得説に従って、後の能力心理学につながる考えを示す。
ジョン・ロック
デカルトとは対照的で、「人間は経験によって知識を習得する」という考えから、観念(考え方)が連なって心が形成される「連合心理学」を提唱。
このころは「(人を造る)心とは何か」を侃々諤々と議論していました。まだまだ理論立てでしか証明できない時代だったので、どちらが正解という答えはわかりませんでした。
自分の考えが正しいという主張のし合いだったわけね。
フェヒナー、ヴント
時代は19世紀に入ります。このころになると、生理学や物理学などの他学問の発展により心の解明へ前進していきます。
フェヒナー
精神と身体、心とモノの関係を実験や測定を用いて数量的にとらえようとした学問「精神物理学」を提唱。実証的に心の反応を考える、現在の心理学の重要な基礎を作る。
ヴント
哲学的な心の働きに対し、自然科学的な手法を取り入れ、実験と観察を用いて実証的に心を探求する「実験心理学」を行なう。その契機に、ドイツのライプツィッヒ大学にて心理学実験室を開く。(この時心理学が学問として誕生!)
心の働き一つ一つが心理的要素の集まりで構成されているとし、それらを解明することで人間の心の働きが明らかになると考えた。そのため、実験の被験者に様々な刺激を与えて、その時の心の動きを聞き取り調査をする(内観法)を取り入れ、心理的要素と構成法則を明らかにしようとした。「構成主義心理学」と呼ばれる。
この時代に、実験→結果からの考察という科学的手法が確立されました。
心理学に限らず、このころを境にして学問が大きく発展していくのね
心の歴史は深いが、心理学の歴史は浅い
ここまで、古代から近代までの間に心について発言をした人物を通して、心理学を見ていただきました。案外心理学の歴史は浅いのだなぁという事と、やっぱり昔の人も心について色々思いを馳せていたのだなぁと知ることができます。
次回は近代後半から現代までの流れを紹介したいと思います。
皆様の明日がoneupできる日でありますように。