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心理学の歴史をざっくり紹介します(近代→現在)

前回は人物とその背景を軸にして、心理学の歴史を古代→近代まで紹介させていただきました。

今回はその続きから現代まで、心理学の考え方そのものに焦点をあてながらご紹介させていただきたいと思います。

 

前回のおさらい

前回は、過去の偉人達が心はあーだこーだと色々な論争をしていましたが、これが正しいというものはありませんでした。時が進み19世紀、ヴントと言う人が心理学を作り、人に刺激を与えそれを観察したり聞き取り調査をすることで心を探求する「内観法」が広まった所まで紹介しました。

ゲシュタルト心理学

ハート型の雲

「内観法は個人の感想でしか確認することができないので、客観性に欠けるのではないか」という批判があり、その対抗として出てきたのが、マックス・ウェルトハイマーという人が提唱したゲシュタルト心理学です。

「人間の知覚は個々の感覚刺激から構成されているのではなく、個別の刺激には還元できない全体的な枠組みによって規定されている」という考え方です。

 

<例>
パラパラ漫画を思い浮かべてください。
その1ページ1ページは一つの心の要素として認識できますが、それが何枚もかさなって連続で見ると1つの映像のように見えます。

 

1つの作品としてみる=全体的な枠組みとして考えたとき、その一つ一つは規定されているのではないかというのが、ゲシュタルト心理学です。ヴントとは一つ一つが個別に構成されれているという点で違います。 

また、このゲシュタルト心理学に影響を受け、その人自身の構成された個性とかパーソナリティーだけではなく、他人がいる社会環境からも影響を受けているとするトポロジー心理学(社会心理学のはじまり)も発展していきました。

 

行動主義、新行動主義

犬

ゲシュタルト心理学と同時期に、アメリカでJ・B・ワトソン提唱の行動主義という考え方でヴントの内観法を批判しました。行動主義とは客観的にデータを集める事ができる刺激や反応の関係を研究すべきと唱え、ヴントの方法だと被験者が嘘をつく可能性があると指摘しました。

 

<実験>
生後11か月の赤ちゃんに白ねずみを見せて、手を伸ばそうとするたびにハンマーで大きな音を出して驚かせました。すると、実験後に赤ちゃんは白ネズミだけはなく、白ウサギや毛皮のコートを着た人間も怖がるようになったのです。

 

この実験から、人間の不安や恐怖は後天的な環境による所が大きいと考えました。

しかしその後、この行動主義は人間の心を捉えきれず、単に機械的に答えを導き出しているだけではないかという声が上がり、複雑で多様な人間の意識も反応として扱うべきだとして、新行動主義(1950年頃~)の声があがり今日の心理学研究でもこの新行動主義が取り入れられています。

新行動主義の発展の背景には、コンピュータの発展も大きく寄与しているとみられています。コンピュータの入力→情報処理→出力という過程が、人間の刺激→心で情報処理→反応ととらえて考えられるようになっていきました。

心理学の学問が開かれてからは、先天的な遺伝の話よりも後天的に得た経験が人の心にどういう影響があるかという点で論理は展開されていきました。しかし依然として論理へのツッコミも多く、意見が確立されることはありませんでした。

論理の枠が大きすぎるから、ツッコミ所が多くなるんだよね。

そうですね。今日の心理学の実験は「○○という状況の時に△△という現象がみられた。このことから○○は××だ。」という、ある状況を想定して人の心をみるものが多いです。

 

フロイト、アドラー、ユング

 

フロイトアドラーユング

(少しだけ時間が戻ります)

20世紀に入ろうかという時、ヴントとは全く違う立場から現代心理学の源流のひとつとなったものがあります。それは、フロイトの「精神分析学」です。

人間の行動には、心の中でもはっきりと自覚できない抑圧された部分、無意識の部分が関わっていることに気づきました。その無意識を表面化させ、人の内部をさぐっていこうという考え方です。

フロイトの精神分析はその後大きな影響を与え、アドラー、ユング含め心理学の3大巨匠と呼ばれました。フロイトは2人の先輩や先生でもあり、現代人においても彼の教えを今一度学習し、自己啓発やカウンセリングなどに役立てています。

(フロイト、アドラー、ユング関連は別記事でゆっくりと解説したいとおもいます。)

 

人間性心理学、トランスパーソナル心理学

空

これまでの心理学では、健康でない人を対象にして心を探ったり、どこか場当たり的な機械的な解釈だったりしたのですが、健康な人向けに自分自身を中心に置き発展してける、人間性心理学(1960年頃~)というものができました。5段階欲求で有名なマズローは、人は自己実現を通じて至高体験目指す。と考えました。

そして人間性心理学を発展させ、個人の意識や行動などの次元を超え、宇宙や天命といったより高い次元へと自己を統合するのを目指したトランスパーソナル心理学(1969年~)というものも生まれました。かつて、魂だとか悟りだとか宗教が担っていた部分を心理学で解釈してみようというものです。

トランスパーソナルは少し怪しいというか、飛躍している気がする。

現在の心理学は、宇宙とか遠くに発展し過ぎたものを対人間まで戻して研究されています。

 

 現在の心理学

ハート

現在の心理学は○○心理学と言う名前で多岐にわたりますが大きく2つに分類できます。

1つ目は基礎心理学。社会心理学や発達心理学など心理学の一般法則を研究する部門。

2つ目は応用心理学。基礎心理学で得た法則を様々な領域の問題に活用する部門。

いずれにしても、今日の心理学は、新行動主義と精神分析から心を探求する流れで研究が進められています。

心理学はいまやなくてはならない学問です。しかし一口に「心理学」といっても、自分には関係ないゾーンも多くかかわっているのも事実です。そして細かく上げるときりがなくなる学問でもあります。

相関

oneupではビジネスシーンで活用できる社会心理学、子育てなどで活用できる発達心理学などを中心に紹介してまいりたいと思いますので、お時間がある時にでもoneupのお役に立てていただければと思います。

皆様の明日がoneupできる日でありますように。